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Dalbello Lupo130C vs FullTilt Ascendant

更新日:

今シーズンからFTのAscendantを投入しています。簡単なレビューはYoutubeにもUPしてます。

先シーズンまではDalbello Lupo130Cを使っていたので、比較レビューです。

LupoとAscendant、両者とも3ピース構造です。

バックカントリー用の3ピースブーツの特徴としては、
1.圧倒的な前方方向の可動域
2.アルペン用の3ピースブーツと同じ性能・フィーリングが得られる
が挙げられます。


可動域については、ハイク時はタングを外すので、前方方向はフリーになります。その代わり、タングの付け外しとザックへの収納の手間が増えます。
特に1日に何本も登って滑ってを繰り返すようなシチュエーションでは煩わしく感じるかもしれません。
ただ、その分得られる可動域とブーツの軽量化(150g程度)の効果は圧倒的です。

滑走性能に関してですが、これはアルペン用の3ピースブーツと全く同じです。
3ピースブーツに普段慣れている方であれば、ゲレンデと同じフィーリングを得られます。
3ピースブーツは2ピースブーツに比べ、絶対的な剛性が低いとされていますが、実は2ピースブーツよりもフレックスに設計自由度があるそうです。詳しくはこちらこちらに書かれてます。
3ピースというだけで敬遠されている方は一度履いてみるとイメージが変わるかもしれませんよ。

特にダルベルのLupoシリーズはアッパーとロワシェルの素材違いでたくさんのラインナップがあるので、自分に合ったブーツが選択できると思います。

FTに関しても、来季からSammyモデルとツアーモデルで分かれるので、選択肢が広がると思います。

では実際に両者の比較をしていきます。

まずはSPECから。


Lupo 130CAscendant
重量(1/2ペア)1790/25.5cm1,860g/26.5cm
フレックス13010
ラスト幅98mm102mm
素材(ロアシェル)グリルアミドグリルアミド
素材(アッパーシェル)カーボンファイバーグリルアミド
ソールアルペン・GripWalk
(交換可)
アルペン・GripWalk
(交換可)
インナーIF エアー プラス
(部分サーモ)
Pro Tour
(フルサーモ)

こう見るとほとんど同じSPECですね。
大きな違いは、ラスト幅とインナー。
ラスト幅は各人の足事情によるのでなんとも言えませんが、Lupoの残念ポイントはインナーがフルサーモではないところ。
軽量化と歩きやすさを重視しているのだと思いますが、自分のようにフルサーモでないと足が痛くなってしまう人にとっては残念ポイントです。(実際自分はフルサーモの別インナーを使っていました)

両方ともインナーは純正ではありません。LupoはベルトもBoosterに変えてます。

FLEXに関してはメーカー独自規格なので数値だけでは単純比較できませんが、両者ともメーカーの最硬モデルです。
同じ3ピースブーツでも、実際に履いてみると両者のブーツでフィーリングはかなり違います。
DalbelloとFTの最大の違いは、タングの長さと形状だと思います。
タングの長さはDalbelloの方が数cm程度長いです。

タングの長さが結構違います。

これはツアーモデルだからというわけではなく、すべてのモデルで同じ傾向です。DalbelloのIL Molo とLupo130Cのタングの長さは同じですし、FTもAscendant同じEvolution系のタングはすべて共通です。

LupoとIL Moloのタング。長さは同じです。

タングが長くなることで膝が入りにくくなるので、その分硬く感じます。
更に、タングの形状もDalbelloは一番上のバックル部分にスリットが入っていません。FTブーツはすべてのバックルにスリットが入っているでよりフレックスが出やすくなっていると思われます。

右がAscendant左がLupo。スリットの数が違う。


Dalbelloの方が自由度がなくがっちり固定されるイメージで、FTの方は膝が入りやすくて自由度が高いです。より安定感を求めるならDalbello、自由で軽量感を求めるならFTがおすすめです。

バックルの操作感も結構違います。
Ascendantの方が軽いです。きつく締める場合でも軽い力で締められます。その分締めすぎてしまう傾向にもありますが、がっちり締めたい場合はAscendantの方がいいです。
また、バックルを締めた際のホールド感もAscendantの方がよいと感じました。
Lupoはきつくしめても、あまりホールド感が変わらないです。

その差にがなぜ出るのか、違いを比較してみました。
タングの形状が、Lupoの方が、かまぼこ感が若干強いです。更にLupoの方がタングが硬いからか、Lupoはタングが縦方向に潰れず、横方向に締まっていく感じがします。
Ascendantはしっかりと縦方向に締まる感じがするのでホールド感がすごく良くなります。この差はかなり大きいです。

右がAscendant左がLupo。Ascendantの方が平べったいので縦に潰れてくれる?

Ascendantの足首部分のバックルが45度になっており、足首のホールド感は抜群です。

真ん中のバックルの角度が違う。角度がついているとより縦方向にホールドできるのでホールド力が高くなる。

また、つま先のバックルも、Ascendantの方がつま先よりに配置されているので、ちょうど足の指の付け根付近が締まるので、足がブーツの中でズレ辛く、足指を握って踏ん張った時のフィーリング(ホールド感)がかなりいいです。
自分はブーツの中で足がずれる感覚がいやなのですが、それがほとんどないです。

Ascendantの方がつま先よりにバックルが来ている。Lupoは甲寄り。

Lupoの方がワイズは狭いですが、縦方向のスペースは若干Lupoの方が余裕がある気がします。より歩きを重視した設計になっているのかもしれませんが、そのスペースによって、ホールド性が落ちて若干足がズレやすい感じがします。

左がAscendantのインナー。右がLupu。同じ素材のインナーで熱成形したものです。縦のつま先スペースがだいぶ違う。
フットプリント。ワイズの違いがはっきりと出ている。

その他、細かい違いとしては、AscendantはPowerWedgeというインナーのふくらはぎに装着する前傾角度の調整パーツが付属しています。
アルペン用のブーツはアキレス腱部分に前傾角度調整パーツが装着できますが、ツアー用ブーツはちょうどウォークモードの切り替えレバーになっているので前傾角度の調整はできません。
前傾角度を調整したい人にとっては地味にありがたいパーツです。

ウォークモードレバー。位置がだいぶ違うけど、この差は如何に?

また、AscendantはMidGripといって、土踏まず部分もゴムパーツがついているので、岩場などを歩く際はグリップが良いです。

Lupoの良いところは、タングの取り外しがしやすい(ワンタッチで取れる)ところ、アッパーシェルとロアシェルの間(アキレス健からふくらはぎにかけての部分)にゴムパーツがついていて、ウォークモード中に雪が入ってくるのを防いでくれます。

最終的に結論としては、自分はAscendantを選択しました。

全体的なホールド感が自分にマッチしました。

自分の勝手なイメージですが、Lupoはちゃんとツアー用に専用設計されたモデルで、Ascendantはあくまでゲレンデ用ブーツにウォークモード付けました!って感じがします。

山を考えたトータル性能はLupoの方が上だと思います。が、ブーツのコンセプトとフィット感が自分にマッチしています。

この辺は好みの問題なので、どちらを選んでも問題ないと思います。

Ascendantは来季Summyモデルが出るので、そちらも楽しみです。

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