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アバランチエアバッグ

更新日:

アバランチエアバッグ。
それは雪崩から身を守る最終手段。。。

アバランチエアバッグとは、雪崩に巻き込まれてしまった際に、ザックから風船を膨ませて、その風船効果で雪の上に浮上しやすくなり、周りの木や岩などへの激突に対しても衝撃を緩和してくれるセーフティアイテムです。
一説によると、雪崩に巻き込まれた場合エアバッグによって50%生存確率が向上するとかしないとか。

以前は重量が増える事への抵抗から、あまり購入意欲が沸かなかったのですが、最近は少し考えが変わってきて、導入を検討しています。

雪崩による死亡リスクを低くする最大の要因は、「雪崩に合わないようにする事」ですが、万が一雪崩に巻き込まれてしまった場合に、被害者(巻き込まれた人)が自力で生存確率を上げるには、現状はエアバッグしか有りません。
3種の神器と呼ばれているビーコン・ゾンデ・スコップは雪崩で埋まってしまった人を助けるために必要な道具なので、人のために使う道具であり、自力で雪崩から脱出する確率を上げるためのツールでは有りません。

最近はソロでの入山もあるので、万が一を考えると持っておいた方がよいと思い始めました。

ただしこれがあるからといって必ず助かるわけではないので、今までと取れるリスクは同じです。
エアバッグがあるからと言って今まで以上のリスク(危ない斜面へ侵入)を犯しては意味がないです。。。
あくまで万が一の保険です。


そんなわけで、どんなものがあるのか調べてみました。
いろんなメーカーが独自のエアバッグを開発しているので、調べ出すと結構大変でした。
国内で取り扱っていない物もたくさんあります。
すべてを調べていくとキリがないので、今回は自分のためという事で、基本的にザック容量は40L以上で調べてます。
(30L以下のサイドカントリー向けは興味無しです!)
40L以上を出していないメーカーもあるので、その場合は一番大きい容量の物を記載しています。

いきなりですが、その結果がこちら!
(だいぶ表がおっきくなってしまったのでクリックして拡大表示してみてください)

エアバッグのタイプは大きくは2種類に大別できます。
電動タイプとボンベタイプです。

電動のメリットはなんと言っても充電のみで繰り返し使えるところです。
ボンベタイプは再充填にお金がかかります。
メーカーによって値段は違いますが、だいたい3000yen〜5000yenです。
そこそこいいお値段です。
しかもメーカーへ空になったボンベを送って再充填してもらうので、時間もかかります。
気兼ねなくポンポン膨らませられる感じではないですね。
なので、正直実際に膨らませるのに躊躇する可能性も無きにしもあらずかと。
持っていても実際に膨らませられなければ意味がありません。
その点、電動は気にせずに定期的に点検を兼ねて膨らませられるのもかなりのメリットですね。
久々に膨らませたら空気が漏れてたなんて洒落にならないですし。。。

飛行機で移動する人にとっても電動は制約がないので、とても便利です。
今は圧縮ボンベも機内へ持ち込み可能のようですが、搭乗時に申告が必要ので面倒です。
そして旅客機はOKでも個人輸入等での発送はNGです。
国内で取り扱っていない物を個人輸入しようとしても発送はできないのでご注意を。(そもそも輸入できても再充填してくれるところがないので1発限定になってしまいますが・・・)

その他、電動ならではのユニークな機能としては、BlackdiamondのJetforceには、3分後に送風を停止し、エアーポケットを作ってくれる機能があります。



ただし電動タイプもいい事ばかりでもなく、以下のようなデメリットや懸案あります。

  • ボンベタイプより若干重い
  • 採用しているメーカーが少ないので選択肢が少ない。欲しい容量や機能がなかったり。
  • 充電し忘れ等による不発のリスク

ボンベタイプはボンベの中身や展開方法によって、おおよそ3種類(火薬+圧縮窒素、圧縮窒素、圧縮空気)に分けられます。

ABS社は火薬+圧縮窒素タイプです。
P.RIDEシリーズは無線で他の人のエアバッグを展開できるユニークなモデルです。
雪崩に巻き込まれた際にうまく展開用の紐を引っ張られずに、エアバッグが開けなかった事例もあるようなので、その点ではとてもいいシステムだと思います。ただ、残念ながら国内展開はしてないようです。あと重量が結構重いです。
どちらかというと小容量で、サイドカントリー層がメインターゲットなのでしょうか?



圧縮空気(ダイビングと同じ)タイプのBCAはいち早く国内展開していたメーカーだと思います。
ダイビングと同じシステムなので年数を経ている分、信頼性はあるようです。
ただ、窒素タイプと比べると若干重く、ボンベも大きいのでザック容量の圧迫率も大きそうです。
BCAのカタログはこちら

圧縮窒素タイプはおそらく現時点で一番の主流だと思われます。
出しているメーカー数が一番多いのでいろんなバリエーションが選べます。
信頼性・重量・使い勝手のバランスが一番良いタイプです。

先ほどの一覧を重量別に並べ替えました。
やはり一番重要なファクターになるのは重量だと思います。
最軽量と最重量の差がなんと約2kg!だいぶ違いますね。

最軽量はORTOVOXのASCENT。
40Lでトータル重量2.290gと、エアバッグとは思えない重量です。
これはかなりのアドバンテージですが、残念なことに現在(2020年5月時点)、国内展開は無いです。
代理店さんは検討はしてるようですが、なかなか数が売れる物ではないので難しいようですね。。。

国内で取り扱っていないモデルを除外するとこのようになります。

この中から実際に購入を!と考えると、自分的に40L未満はNG。トータル重量3.0kg以上もNGです。
なので、最終候補としては以下になります。

最終候補は4モデル。


最軽量はARVAのREACTOR。
ザックはエアバッグには珍しく雨蓋タイプなので45Lまで拡張可能。
某ブルークリフガイドも使っているようなので使い勝手も良さそうです。
ただ1発のお値段がちょっとお高いので財布には優しくないです。

出典:ブルークリフ

次に軽いのがMammutのPro Removable。
一番バランスが良いモデルだと思います。
軽さと機能性を兼ね備えたオールマイティモデルですね。

出典:Mammut

200g プラスしたのがPro Protectionモデル。
こちらはエアバッグの形状が顔を覆うような構造になっているのでプロテクション機能が上がってるようです。
その200g増をどう感じるかはその人によるところですね。

出典:Mammut

電動ならSCOTTO一択。
(Jetforceの方が細かい点を含めた総合的な使いやすさでは良いとのレビューもありました。
https://outdoorgearzine.com/review-black-diamond-jetforce-pro-avalanche-airbag-backpack
が、自分的に35Lでは物足りないですね。そこが惜しい。
旧モデルは40L設定があったのでぜひ追加してもらいたいです)

SCOTTOは個人的にデザインは一番カッコイイと思います。
Aフレームもちゃんと公認しているところが尚良し。
他のモデルと比べると容量が若干少ないのがマイナスポイントでしょうか。

出典:SCOTTO

自分はおそらくこの4つの中から選ぶと思います。
なかなか安い買い物でもないので、慎重に選びたいと思います。
コロナの10万円給付金がエアバッグに化けるのか?笑

ちなみに来季情報としてはOSPREYがエアバッグをリリースするようです。
システムはSCOTTOと同じ、電動のAlpride E1 systemを採用してるようです。
ザック容量が小さいのと、そこまで軽量でもないので自分的にはあまり魅力を感じませんが、いろんなメーカーが参入することは良い事なので今後に期待ですね。

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