データ整理していたら過去の痛い動画が出てきました。
2013年の4月に、唐松岳・本谷での滑落動画です。
当時はBCを始めて、そろそろ慣れてきたかなって頃だったかと思います。
ちょうどロッカースキーやツアービンディングが一般的になってきて、道具的には手軽にスキーでパウダー時期の雪山に入れるようになってきた時にBCを始めました。
当時は今以上にBC向けの講習などは敷居が高く、見様見真似で始めて、なんとなく成功体験を積み上げていった時期でした。
それまで事故がなかったのはたまたまラッキーだけだったと今では思います。
唐松本谷は、北アルプス・唐松岳の山頂付近の谷です。ちょうど山頂と唐松山荘の間くらいからエントリーする場所です。
唐松は白馬八方尾根スキー場のTOPから比較的簡単にアクセスできるので登山・BCに非常に人気のエリアです。
当日は週末で天気がよく、人がたくさんいた記憶があります。
当日のものかはかわかりませんが、シュプールはいくつかあったことと、滑り出しは特に底付きもなく柔らかかったので止まらずにそのままエントリーしました。
登り返している時の映像を見ると、ツルツル斜面である事ははっきりわかりますが、上からだと日差しの関係か、映像見てもちょっとわかりにくいです。
柔らかいと信じてた斜面に突然裏切られます。
そこそこスピード出してたので、何も出来ませんでした。
スキーも直ぐにはずれエッジでの制動もできず、この時はウィペット(ピッケル型のストック)も持っていませんでした。(まぁ持っていたとしても何もできず、逆に転がってる時に体に当たって危険だったかもしれませんが。。。)
落ちてる時は走馬灯がよぎる。。。という事もなく、え?なんで?って事しか考えられませんでした。とりあえず下の方に岩が見えていたので、最悪あそこにぶつかって痛い思いをするのか??って恐怖だけでした。
映像見ると時間的には短いですが、感覚的にはもっと長い時間に感じられました。
カリカリゾーンが岩に到達する前に終わってくれたので、なんとか止まる事ができました。
止まったら止まったでパニックです。
状況整理が追いつかず、どうすればいいのか。。。
暫く時間たったら少し落ち着いて、次の行動を検討しました。
板2本とストックの先端がありません。
怪我は無し。
一瞬このまま歩いて帰る?って考えましたが、スキーやボードのトラックは沢山あるとはいえ、ツボ足でこの先の長い距離を歩いて帰るのは流石に厳しいと思い、登り返す事にしました。
怪我がなかったのが本当にラッキーでした。
怪我してたら完璧に救助案件でした。
登り返してみると、足元がカチカチなのがよくわかりました。
季節はもう4月だったので、一度カチカチになった後に新雪が積もったのでしょう。春の時期の降雪は厳冬期とは違った難しさがあります。
登り返し中に隣の沢を降りてくるパーティがいました。
そちらは良さそうでした。
斜面の向き、斜度の選択は重要です。
少し登り返したところでスキー板1本とストックの先が見つかりました。
更に登ると残りの1本もありました!
カチカチ斜面でよくぞこの状態で止まっているなという姿でした。
下から見るとカチカチとそうでないところの境目が良くわかります。
上から見ただけだと意外とわからない事もあるので、実際に斜面を調べないとダメですね。
板2本回収できたので、ここから”慎重”に降りて帰りました。
精神的にだいぶやられてたので、下に人は沢山いましたが一人だけ別世界入ってましたね。笑
この1件が自分にとっては大きな転機になり、いろいろと勉強するようになり、行動も慎重になりました。
だから今後は安全!というわけではないですが、失敗から学ばないと成長はないと思っているので、過去の失敗を忘れずに、これからも安全に長く遊んでいけるようにしたいと思います。