巷にはこれからバックカントリーを始めるには〜とか、
初心者にはここがおすすめ〜とか、
すでに情報はそこら中に転がっているわけで。
多分みなさん興味ある方はそれなりに情報を集めていらっしゃることでしょう。
でもちょっと待ってください。
今年からバックカントリー始めますって方、
その体力で、大丈夫?
バックカントリーって、「1に体力2に体力」です。
雑誌やDVDでなんか綺麗な映像で気持ちよく滑ってるのよく見ますが、いきなりあんなのを想像していってはダメですよ。
基本登山ですからね。(リッチな方でヘリスキーで楽にTOPtoBOTTOMなことをやる方は別ですが。。。裏山!)
もちろん滑る為に登るわけですが、山頂ついたらもう落ち武者の如くくたばる寸前!なんてことになっちゃうと滑りを楽しむ余裕もないわけで。
体力がないと登るのも遅くなるし、余裕がなくなると正しい判断もできなくなっていくのでリスクが高くなります。
まずはシーズン前からしっかりと体力作りを行いましょう。
無理に速く登ったり移動したりする必要はないです。ゆっくりでも動き続けられるようになりましょう。
おすすめトレーニングは登山・自転車・ランニング・水泳。などの定番の有酸素トレーニングですが、時間があまりとれなければタバタ式トレーニングで短時間で限界まで追い込むのもおすすめです。
20秒全力運動+10秒休憩×8セットで計4分で終わります。
1日1時間とかはきついですが、4分で終わるならできそうじゃないですか?
タバタ式トレーニングでググればいろんなエクササイズが出てきます。
体力温存の他のアプローチとして、軽量化もお勧めです。
1つは自分の軽量化。要はダイエットです。もちろん健康的なダイエットに限りますよ。(脂肪を落としすぎると寒さに弱くなるというデメリットも無きにしも非ずですが)
もう1つは装備の軽量化。お金はかかりますが物によっては費用対効果は大きいと思います。軽さは正義です。
ただし、装備は自分に合ったものでないと意味がありません。
どんなに軽くても使いにくかったり壊れやすかったりしていざという時使えないのでは本末転倒です。
何回か経験値を積んでいくと自分に合った装備が見えてくるので、いきなりネット情報などだけでキワモノに手を出すのではなく、まずは持ちすぎ。なくらい準備をしていって、徐々に無駄なものを省いていきましょう。
一番費用対効果が大きいのは板とブーツですがこれは「滑り」に直結するので安易に軽さだけで決めない方がいいです。
ぽんぽん買い換えられるような値段の安いものでもないので、あとあと後悔しないようによく吟味しましょう。
その雪、その斜面、滑れますか?
バックカントリーは自分のレベルに合わせて行き先を調整できるところもまたよい面ですが、ある程度の滑走技術は必要です。
どんなゲレンデのコースでも安全に止まらずに降りてくることができますか?
そうでない場合は、まずはゲレンデに通って練習しましょう。滑りでもたつくと本人も、待っている人も予想以上に体力を消耗します。それだけリスクが上がることにもなります。
山へ何回か通えばそのうち上手くなるでしょう。って思ってる方、
「残念ながら山では滑りは上手くなりません!」
と私は思っています。
理由は、
1.滑っている時間・距離が短い
2.楽しんじゃう意識が圧倒的に勝つ。いつの間にか滑り終わってる。
からです。
1日登っても滑れるのは数本です。
しかもいい雪に当たった日には、ここはこう動かして、ここを意識して!なーーんて、滑ったりしないでしょう。私はしません!笑
結局そこで出るのは普段の無意識でできてる滑りです。
その無意識の滑りのレベルを向上させましょう。
それには滑り込み=ゲレンデ通いするしかないと思います。
実際には山でよく見ますよ。あまり滑れない山屋さん。
まぁここは本人がどこを目指しているか次第なところなのでなんとも言えませんが、滑りが上手くなって悪い面は1つもないです。
より速く安全に滑ることができるので、行けるフィールドもどんどん広がります。
そこに時間をさく気持ちや環境があるかないかの違いだけだと思います。
一度習得しちゃえばそうそう忘れるものでもないので、1−2シーズンはがっつりゲレンデ修行。と割り切るのも長く続ける意志があるのであれば良い選択だと思います。
ただ闇雲に滑り込むよりはスクールに入ったり人に滑れる人に教わった方が上達は早いと思います。
ネットやYoutubeを参考にするのもいいと思います。
自己チューダメ、謙虚な気持ちで。
山では思い通りにいかない事が多々あります。
そこは自然相手なので、自己チュー的な考えはやめましょう。
自然が自分に合わせてくれるわけがないので、山に遊ばせてもらってる。という”感謝”の気持ちを忘れずに。
気持ちよくいい雪を楽しみたい。
これはみんな思っていることだと思いますが、そこは自然相手なので我々の思う通りにならない事の方が多いです。
自然(雪)は刻一刻と変化します。
ハイシーズンはどこへ行っても山はパウダー。なんて事もないわけで。
もちろん優秀なガイドさんは嗅覚がとっても鋭くその日にいい雪がある場所を知ってます。
それでも限界があるわけで。
雪が悪くても”それも自然”と楽しむ気持ちが大切です。
誰も入っていないノートラック。
それは誰もが求めるものです。
そこには絶対的なルールはありません。
どんな初心者、上級者にとってもノートラックは平等です。
ノートラックは誰のものでもなく、誰のものでもあるのです。
ここは俺のエリアだから!みたいな、子供の鬼ごっこのバリアルールみたいな自分ルール、やめましょう。
特に何回も通っているとそこが自分のホームエリアになって、いつの間にかそこが自分のもののような錯覚を覚える事でしょう。
でもそれ、ただの錯覚です。
何十年通ったってそこは誰のものでもありません。
ただ通った回数が増えてるだけです。
ここ初めて?
なら存分にパウダー満喫しちゃってよ!
って譲れるくらいの心意気を持てるようになりましょう。
山は誰のものでもないのでみんなで楽しむ気持ちを大切にしましょう。
では、Enjoy Mountain Life!